書籍レビュー「ぼくが13人の人生を生きるには身体がたりない。」haru著
「ぼくが13人の人生を生きるには身体がたりない。」haru著
2020年8月中旬に読了しました。
ネット記事でこの本の紹介を見かけたのが、読みたいと思ったきっかけです。
話は変わりますが2年ほど前、”言葉”について興味を持っていたころ、「cotonoha」というアプリの存在を知りました。
インストールこそしませんでしたが、まさかそのアプリの制作者であるharuさんについて、数年越しに本書で知ることになるとは…。自分はつくづく、興味のある分野やコンテンツに出会う運に恵まれているなと実感しました。
さて、本書を読んだ感想を端的にあらわすとざっくりとこんな感じです。
・読みやすい
・解離性同一性障害(多重人格)のイメージが変わる
・haruさんとは
上記3つをテーマとして、さくっと感想を書いていこうと思います。
そこでひとつお伝えしたいのが、わたしは専門的な知識はありません。誤った言葉を使ってしまう可能性もありますが、ご理解いただければと思います。
また、それにより読んでくれた方を傷つけてしまう場合があるかもしれませんが、故意に行っていることではありません。ご指摘いただければ修正いたしますので、コメント欄へご意見をお寄せください。
あくまで本を読んだ感想ですので、あしからず…m(__)m
◇読みやすい
これはもうそのままですね。解離性同一性障害の専門書ではなく、あくまでharuさん(正確にはharuさんとともにいる別人格のみなさん)のエッセイです。
異なる人格を持つ人が、どうやって普段の生活を送っているのか。また、主人格いがいの交代人格は、なにを思い、自分たちについてどう考えているのか。そんな内容について書かれています。なかなか興味深いことが書かれていますが、専門的な言葉はないので楽しく読めます。
本書のほとんどが交代人格である洋祐さんが書かれているのですが、ほかの人格の方もエッセイを書いてくれています。書いた人格がだれなのか、ページ下部にキャラクターアイコンで表示してくれいているので、それぞれの人格に愛着を持って読めますよ(^^)
◇ 解離性同一性障害(多重人格)のイメージが変わる
もともと多重人格には興味があって、当事者の方のインタビューなど聞きかじっていました。
昔Youtubeで見た映像で強烈に残っているものがあって、複数の交代人格を主人格に統合するというものです。その映像では、人格統合をするために、交代人格が生まれたきっかけとなったトラウマを本人に克服させるというものでした。それがとても恐ろしくですね笑
その方は子供のころに虐待を受けており、その時の体験を思い出させるというのでしょうか、退行睡眠とでもいうのでしょうか、、、当時体験した恐怖や痛みだけを今もう一度うけるという内容でした。その映像がとても強烈に残っていたので、交代人格同士は殺伐としているのかなという漠然とした想像がありました。
ですが本書を読んでみると、haruさん以外の12人の交代人格は、haruさんを一番大切に思っていました。このあたりはぜひ本書を読んで頂きたいのですが、haruさん自身が生きることに無頓着らしく、交代人格が力を合わせて日常生活を送れるようにしたりしています。
すぐ死ぬことを考えてしまうharuさんを生かそうとしているんですね。
本書で一番印象的だったのが「みんなで力を合わせて、毎日を生き抜いている」という言葉です。そして、それぞれがやりたいことがあるれっきとした人格があるので、交代人格である自分が消えてしまう恐怖もあるようです。ですが、それがharuさんのためになるならそれを望むと書かれていました。
わたしが持っていた殺伐とした多重人格のイメージをがらりと覆すようなことが書かれていて、あらためて”解離性同一障害とは”と興味を持てる内容になっています。
交代人格の12人は、haruさんを守る家族のようでした。
◇haruさんとは
読み終わった直後に思ったのがこの感想です。というのも、本書のほとんどは交代人格の数人で書かれており、主人格であるharuさんの言葉はほんの少しでした。
haruさんの頭の中にはたえず交代人格の会話は聞こえてきているようなのですが、自ら交代人格に語り掛けたのは「あなたは誰?」とといかけた一度のみとのことです。haruさんは生に執着がないので、記憶もどんどん失っているようです。
どんな状況で何を思うのか…どんな言葉でも単語でもいいので、ぜひharuさんの率直な気持ちを聞いてみたいと思いました。
長くなってしまいましたね笑
面白い本とは読み終わった後でもたくさん考えさせられます。
私のように多重人格に興味があるという方には、とても読みやすい1冊です。また、本書では日常的なことをメインに取り上げています。もっと深刻な過去ももちろんあったそうなのですが、その辺りは省いているというのも読みやすい理由の一つかもしれません(^^)
この本を読んで、もっと医学的な面から解離性同一性障害を知りたいと思いました。また関連する本を読んだら感想を書きに来ます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
今日はこのへんで~(^^)